導入:
今年の夏も猛暑が予報されています。熱中症対策がますます重要になる中、私は訪問看護師として多くの方から熱中症に関する相談を受け、その対策についてアドバイスをしてきました。また、自身の子育てや両親の介護を通じて、熱中症対策の重要性を実感しています。これから本格的な夏に向けて、皆さんに具体的な対策法をお伝えしたいと思います。
今回は、40代後半から50代前半の女性で子供を持つお母さん、そして地方で生活する両親の体調を心配する娘の立場からのそれぞれの質問に答える形で具体的な熱中症対策を紹介します。さらに、IOTを活用して遠くで暮らす両親や部活中の子供の体調を把握し、緊急時に対応できるデバイスについてもご紹介します。それでは、具体的な対策法について見ていきましょう。
Q1: 子供たちの熱中症対策はどうすればいいですか?
A:子供は大人に比べて体温調節機能が未熟なため、熱中症にかかりやすいです。私の息子が小学生、中学生の時、野球の練習中に具合が悪くなる子がいました。私は少年野球時代は看護師としてお母さんやコーチから信頼してもらっていたのと、シニアチームでは医療班リーダーをしておりチームでは以下の対策を保護者にお願いしていました。
1. **こまめな水分補給:**
運動の前後には必ず水分を取らせます。スポーツドリンクも適度に取り入れます。スポーツドリンクは糖分が多いというのは運動をしない場合にガブガブ飲む場合です。炎天下で汗をかきながらスポーツをする場合はエネルギーの大量消費を補給しないと筋肉のタンパク質の分解も促進されてしまうため、運動中はスポーツドリンクが最適です。ただし口の中ベタつくのを嫌がる子もいたので途中にお水やお茶も飲めるように2本用意してもらっていました。
食事の時は水や麦茶を用意、夏はできれば冷たい味噌汁もしくは麺類をつゆをかけて食べるようにして塩分の補給をします。味噌汁、梅雨を持ってこなかった子には岩塩で補給していました。深層海洋水から作る塩がミネラルが多くて本当はいいのですが、サラサラのため試合中に手で補給するには衛生面的にも良くありません。
子供たちが自分の手でつまんで、運動の合間に食べるのにちょうど良い大きさで食べやすく管理しやすいのは岩塩なので、これは少し熱中症サインが出始めた子供に与えても子供たちの体調を早めに回復させてくれました。
また、ミネラルと瞬発的なエネルギー補給に黒糖も便利です。汗を大量にかくスポーツをしている子どもは水分とミネラルが小さな体かた急速に出ていってしまうので、常に補給するという意識でスポーツの合間に「飲み物ちょうだい」と言う前に「一口飲んでから運動しなさい」と水分補給させるようにしていました。喉が渇いた時にはすでに脱水傾向であるため、予防が大切です。こまめに塩分と水分をとって汗をしっかりとかける身体にすることで体内の温度を下げる機能を維持させます。
2. **涼しい環境の確保:**
自宅ではエアコンや扇風機を活用して、室内の温度を快適に保つようにしています。
外出する際は帽子をかぶらせ、日陰を選んで歩くように指導しています。公園に行く時も、木陰で休む時間を設けるようにしましょう。子どもは小さければ小さいほど地面との距離が近くて体表面温度がすぐに上昇してしまいます。
途中で冷たいタオルで体を拭くなどして、体表面からの熱の影響を防ぐようにしましょう。
運動中の子どもの休憩時間はなるべく靴下と靴を脱いで、足裏からもこもり熱を放出させて下さい。冷たいタオルで足裏を拭くのも効果的です。
3. **服装:**
通気性が良く、吸汗速乾の素材の服を選んでいます。特に薄手の長袖シャツは、直射日光を防ぐと同時に体温の調節に役立ちます。野球ではアンダーシャツを着るのですが、暑い陽射しの日こそ長袖の方が運動していても涼しかったと息子は言っていました。こまめな着替えで汗を吸収できるようにしておくのも身体の熱放出にとても良いです。
洗濯は大変ですが、熱中症になって病院に連れていったり、自宅で看病するよりは楽だと思いますので予防できることはどんどん実践して下さい。
IOTディバイスの活用
現代ならではの部活中や運動中の子供の体調をリアルタイムで把握するために、スマートウォッチがおすすめです。
心拍数や体温、活動量をモニターでき、異常があれば通知が届くので安心です。また、GPS機能付きのスマートウォッチなら、子供の居場所も確認できますよ。
Q2: 両親が地方で生活しているのですが、熱中症対策はどのようにしたらいいですか?
A: 高齢者は熱中症のリスクが高いので、特に注意が必要です。私の両親も以前は地方に住んでいて、父が母を介護していた時期があります。電話で体調を確認するのに以下のポイントに気を付けていました。
- 定期的な連絡:
毎朝、電話をかけて両親が元気でいるか確認できていますか?忙しい人はLINEのスタンプでもショートメールでも構わないとです。返信できているかどうか、いつもと文面は変わらないか?気にして見て下さい。
特に暑い日は、水分を十分に摂っているか、エアコンを適切に使っているか毎日メッセージとして発信して気にしていることを伝えましょう。
よく母が「昨日は電話ありがとう。おかげで忘れずに水分補給できたよ」と言ってくれました。 - エアコンの使用:
高齢者はエアコンを避ける傾向がありますが、適切に使用するように促しています。冷房の温度は26~28度が理想的です。
訪問指定高齢者のお宅では「暑さを我慢するより、快適に過ごしてね」と伝えてどうしてもエアコンが嫌いな人は除湿モードと扇風機で深い指数を下げるように工夫しています。 - 飲み物の準備:
高齢者の家にはミネラルウォーターやスポーツドリンクを常備しておいて下さい。体調が悪い時に買い物に行けないので家にあることですぐに飲んでもらうことができます。
寝る前には枕元にお守りのように置いておく習慣を声かけてあげて下さい。 - 涼しい場所への誘導:
外出時には、涼しい場所(例えばショッピングセンターや図書館)に行くように提案しています。
利用者さんの中には「図書館は涼しくて快適だね」と言って、頻繁に通うようになり、夏でも外出先で人と話す機会を設けている人もいます。ショッピングセンターで待ち合わせをして話す高齢者の集まりもあるそうです。
これは気候によって閉じこもり気味な高齢者にとってはいい涼の取り方だと思います。
IOTデバイスの活用
今なら遠くに住む両親の体調を見守るために、スマートホームデバイスが役立ちます。例えば、温湿度センサー付きのスマートエアコンは、設定温度を遠隔操作で調節できます。両親がエアコンを適切に使用しているかを確認し、必要に応じて温度を調整することができます。
さらに、健康モニタリングデバイスとして、OmronやWithingsの血圧計や体温計があります。これらのデバイスは測定データをスマートフォンに送信し、異常があれば通知を受け取れます。これにより、両親の体調をリアルタイムで把握し、迅速に対応できます。
Q3: 自分自身の熱中症対策として、どのようなことを心がければいいですか?
A
自分自身も若い頃とは違い、無理をすると体調を崩しやすくなってきました。以下の対策を講じることで熱中症を防いでいこうと思います。
- 適切な水分補給:
私の場合、仕事は車移動であまり運動はしませんが夏は入浴介助や冷房のない家での看護ケアで汗をかくことがあるのですが、十分なご飯休憩が取れないのでこまめに水分を取るようにします。目安はトイレに十分に行きたくなるか?トイレの回数が少ないということは十分な水分が取れていないということです。仕事中でもわかる目安を気にして水分を補給していきます。 - 運動時間の工夫:
早朝や夕方など、比較的気温の低い時間帯に家事を行うようにしています。特に直射日光が強い正午前後は避けています。朝早くの涼しい時間帯に走ると、気持ちもリフレッシュできます。 - 休息:
運動中や運動後にしっかりと休息を取ることも重要です。体を冷やすために、冷たいタオルや冷却ジェルを使用するのも効果的です。運動後にはクールダウンとしてストレッチを取り入れ、体をリラックスさせています。 - 十分な睡眠:
睡眠時間が足りないと体温の恒常性機能が低下して熱中症になりやすくなります。
夜にベットでスマホをする時間を減らして、睡眠を確保してスマホは朝にするようにします!
IOTデバイスの活用
このように、子供たちや高齢の両親、自分自身の熱中症対策を徹底することで、猛暑を安全に過ごすことができます。家族みんなが健康で楽しい夏を過ごせるよう、しっかりと準備をしましょう。そして、IOTデバイスを活用して、さらに安心して夏を乗り切りましょう。