家族の病気や介護相談でよくある悩みと解決へのヒント
家族の病気や介護に関するご相談で多いのは、次の2つのケースです。
1. 「どうしたいか」を家族で話し合っていなかった
2. 「どうしたいか」を話し合っていたのに、現状でどうすれば良いのかわからない
特に2つ目の場合は、治療に関わる医師からの説明が重要です。しかし、医療者が伝えたつもりでも、その内容が患者や家族には伝わっていないことが多いのです。医療者側がこのギャップに気づかないままでは、患者や家族が意思決定から置き去りにされてしまいます。その結果、人生の最後を医療機関のペースで過ごさざるを得ない状況が生まれがちです。
実際の声から学ぶ
あるご家族が家族介護相談をご利用された際、このような感想をいただきました.
短い間でしたが、本当にありがとうございました。とても心強かった。まさに私にとってのナイチンゲールでした。
似たような状況で困っている人がたくさんいると思います。これからもたくさんの人を助けてください。
さらに、ご家族から特に伝えてほしいと依頼されたのが「病院の『今すぐ来てください』の本当の意味」でした。
最近の病院の『今すぐ来てください』は、実際には2時間以内に到着できるかどうかのラインだと知りませんでした。もし教えていただけなかったら、悠長にしていて間に合わなかったかもしれません。
このような情報を共有することで、ご家族が後悔しない「できること」を知り、知った後の行動を自分の生活と照らし合わせて選んでいく、その結果として大切な人を自分たちのできることで最期まで見守ることをサポートしたというエピソードです。
医療と家族が伴走するために
医療や介護は、単なる身体的なケアにとどまりません。ご家族の気持ちに寄り添いながらサポートすることで、患者さんが「自分らしい人生の最期」を迎え、ご家族も後悔なく見送ることができます。そのためには以下が大切です:
• 医療職とスムーズに対話する方法を知ること
• 家族間で意思を共有し、まとまらないときに相談できる場を持つこと
実際の現場で接する医療者との対話が上手くいかないと感じる時に、家族介護相談では、医療の知識と介護の経験を活かし、大切な人を支える家族が「どんなコミュニケーションを誰と取るべきか」を一緒に考えファーストステップをアドバイスします。医療者との意思疎通が難しいと感じたときや、家族内で意見がまとまらないときは、ぜひご相談ください。
「人生の最後を、患者さん自身が選んだ道で歩む」。その実現をお手伝いします。
医療者との話し合いをスムーズに進めるために
家族の介護や病気の治療について、医療者としっかり話し合いたいと思っても、「何を聞けば良いのかわからない」「医師に質問するのが気が引ける」と感じることはありませんか?限られた診察時間の中で、効果的な話し合いを進めるためには、事前の準備やコミュニケーションの工夫が重要です。以下のポイントを押さえることで、納得のいく相談ができるようになります。
1. 診察前に質問をメモする
医師に相談したい内容を事前に書き出しておくと、重要なポイントを忘れる心配がなくなります。「これだけは聞いておきたい」という質問を具体的に整理しておくことで、限られた時間を有効活用できます。上手くまとめる自信がない時には整理や聞くポイントを文面化してお伝えしています。
2. 遠慮せずに納得するまで説明を求める
医療の専門用語や治療の選択肢は、患者や家族にとって分かりづらいことが多いものです。不明点があれば、その場で質問することをためらわないようにしましょう。医師や看護師は、患者や家族が安心して治療を進められるよう、説明する義務があります。「納得がいくまで説明してほしい」と伝えることで、より深い理解が得られます。家族介護相談では、その場で聞けなかったことを解釈してわかりやすいように説明したり、一般的な可能性も含めた状況を説明しています。説明の相違がないかを確認しながら、質問対話を繰り返すので安心してなんでも聞いてください。
3. 必要ならば家族介護相談に頼る
医療者とのコミュニケーションに不安がある場合、家族介護相談などのサポートを活用するのも一つの手です。専門知識を持つ第三者に相談することで、話し合いの準備や進行をスムーズに進められます。意思決定代理人として、十分な対話をご本人やご家族とした上で家族、医療の同意がある場合にはカンファレンスへの同席もいたします。
あなたやご家族が「自分らしい選択」をするために
医療者との話し合いだけでなく、「意思決定支援」はご家族が納得のいく選択をするための重要なステップです。具体的な方法や考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひこちらも参考にしてください。